終身保険の必要性について解説

生命保険の種類

「一生涯保証が続く」がキャッチフレーズの終身保険。

終身保険はその名のとおり終身で保証が受けられることから、安心感があり、多くの方が加入されている人気の生命保険商品となっております。

しかしながら、終身保険には保険会社の営業職員は決して語らない「落とし穴」が多く潜んでいる商品となります。

そんな終身保険について、こちらの記事では仕組みやメリット・デメリットについて解説させていただき、加入に当たって気を付けるべきポイントについてお伝えさせていただきます。

この記事を読むことで、終身保険についての考え方が分かり、無駄な終身保険への支払を最小限に抑えることができるようになります。

ナムル
ナムル

・終身保険ってなに?

・終身保険のメリットやデメリットが知りたい

・終身保険に入る時はどんなことに気を付けた方が良い?

・終身保険ってどんな人が必要なの?

終身保険とは?

終身保険とは、60歳など一定の年齢まで保険料を支払い、保険料を支払ってる期間はもちろん、保険料の支払を終えた後も保証が一生涯が継続する保険となっています。
また、保険料は積立型となるため、解約時に一定の解約返礼金を受領することができます。

例えば30歳で1000万円の終身保険(60歳で保険料払込完了タイプ)に加入した場合
60歳まで毎月2.5万円支払う代わりに、生涯にわたって死亡した場合は死亡保険金を1000万円受け取る
解約返戻金は加入から年数を経過するごと返礼率が上昇します。
以下に解約返戻金の推移の例記載します。

年齢死亡保険金額払込保険料総額解約返戻金額返戻率
351000万円150万円約90万円約60%
401000万円300万円約200万円約66%
451000万円450万円約310万円約68%
501000万円600万円約420万円約70%
551000万円750万円約530万円約70%
601000万円900万円約650万円約72%
651000万円同上約940万円約104%
701000万円同上約952万円約105%
払込保険料や解約返戻金額は会社や商品により異なりますので、終身保険における保険料のイメージとしてご参照ください。表は保険料払込期間の返礼率が抑えられる代わりに払い込み完了後の返礼率が増加する商品(低解約返戻金型)となります

終身保険のメリット・デメリットは?

終身保険のメリットやデメリットについては以下のとおりとなります。
生命保険会社が唄うものではなく、個人的な見解となります。

メリット
  • なし
デメリット
  • インフレリスクを考慮していない
  • 貯蓄効率が悪い
ナムル
ナムル

メリットなしってどういうこと??

ソナム
ソナム

終身保険には基本的にはメリットはありません。

基本的にこれから生命保険を検討するような方で、

終身保険に加入することが最適解となるような方は

日本中に存在しません。

その理由について次の章で解説します。

終身保険の注意点や落とし穴

【メリットなしの理由】
終身保険のメリットとして、一般的には「一生涯保証が続く」や「老後の生活資金の準備になる」ということが営業の文句として広く使われています。

まず、「一生涯保証が続く」についてですが、一生涯同額の保障が必要となる家庭はありえません。
例えば、10歳のお子さんがいる一家の旦那さんと、子供が自立した一家の旦那さんで必要な保障額は異なるからです。
「一生涯保証が続く」ということは不要になった保証にお金を払い続けることになるため、むしろデメリットとなります。

「老後の生活資金の準備になる」についてはデメリットに記載のとおり、貯蓄効率が悪いことからメリットとはなりません。

ナムル
ナムル

老後に1000万円の保険金は必要ないもんね。

【デメリットの補足】
インフレリスクについてですが、先に紹介した例でいえば、30歳で保険に加入し、保険金を1000万円と設定し、保険料を毎月しはらっていくことになりますが、実際に亡くなって保険金を受け取ったり、解約し返戻金を受け取る年齢は65歳以降になることが大半になると考えられます。
日本では、日本経済のかじ取りの重要な役割を担う日本銀行が、「2%の物価安定」の目標を掲げています。
これはつまり、今年100円で購入できたものが翌年は102円になることを意味しています。
仮に日本銀行のこの2%上昇の目標が30歳から65歳までの35年間で物価は倍になります。
つまり、保険金1000万円は額面上は1000万円のままですが、受け取る時にはその価値は500万円程度になってしまうこととなります。
もちろん、日本銀行が目標を達成できる根拠はありませんが、日本銀行が目標に掲げる以上、少なくとも物価は上昇していく流れになる可能性が高くなります。

貯蓄効率が悪い点についてですが、65歳で解約した場合の返礼率104%というのは低すぎで、インフレリスクを踏まえると実質的には元本割れすることとなります。

ナムル
ナムル

よく分からないけど、35年もこつこつお金を準備したのに、

損しちゃうってことだね。

終身保険に加入すべき人は?

終身保険には保険としても金融商品としてもメリットのない商品となるため、終身保険に加入すべき人というのは存在しません。

具体的なケースで見てみると以下のようになります。

ケース1:子供がいる一家の旦那さん

ニーズ:「旦那さんが死亡した場合の死亡保障」「将来の貯金」
死亡保障については掛け捨ての定期保険で加入するべきです。子供の成長と共に保証額は減少しますので、定期的に保証額を見直すことで過剰な保障に対する保険料を支払わずに済みます。
将来の貯金については、正しい方法で投資することでより効率的に資産形成することが可能です。

ケース2:子供自立後の旦那さん

ニーズ:「死亡保障を葬儀代に充てたい」
100万円程度の死亡保障を葬儀代に充てるため終身保険に加入しているケースが多い(保険会社の営業社員がそのように勧めるのでそうなるのですが)ですが、正しい方法で投資することでより効率的に資産形成することが可能です。

まとめ

生命保険商品の中には、加入することで保証を受けつつ、将来の貯金にもつながる商品がありますが、こういった商品は保証の内容も貯金のパフォーマンスもどちらも不十分な内容となります。

保障については必要な金額を最小限掛け捨ての保険(定期保険等)で用意し、将来の貯金については正しい方法で投資することでより効率的に資産形成を行うことできます。

今後終身保険の加入を検討されている方がいらっしゃいましたら、一度立ち止まり、保険会社の営業職員のセールストークに乗らずに、本記事を思い出していただければ幸いです。

生命保険よりも効果的に資産形成する方法については以下の記事もご参照ください。

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