個人年金保険の必要性について解説

生命保険の種類

老後の資金の用意として多くの利用されている個人年金保険。

少子高齢化や公的年金の減額予想のニュースなどにより、老後の資金について不安を感じ、個人年金保険に加入されている方、加入を検討されている方も多いかと思います。

こちらの記事ではそんな個人年金保険の必要性について、保険会社の営業職員からは語られることのない、フラットな目線で解説させていただきます。

結論から言うと、個人年金保険は非効率ですので、個人年金保険で老後の費用に備えるのはやめましょう。

この記事を読むことで、個人年金保険での非効率な資産形成ではなく、適切な方法で老後の資金を用意することができるようになります。

ナムル
ナムル

・個人年金保険ってなに?

・個人年金に入る時の注意事項は?

個人年金保険とは?

国が運営する年金制度として、『国民年金』と『厚生年金』があります。

国民年金

・20歳~60歳未満の国民全員加入が義務付けられている年金
・国民年金保険料は一律で毎月1.65万円程度(毎年数十円程度変動)
・全期間保険料を納めた場合、65歳から毎月6.5万円

厚生年金

・会社員、公務員の加入が義務付けられている年金
・厚生年金保険料は月給の9.15%程度(稼ぎが増えれば保険料も増加)
・保険料を納めた期間・金額により異なるが、平均で65歳から毎月約14.6万円

これらの国が運営する年金制度に上乗せする形で、個人で用意する年金が個人年金保険となります。

個人年金保険

・個人で自由に加入が可能な年金
・年金の受給期間(10年や終身など)や金額は自由に設定可能

返戻率の高いスミセイの個人年金保険「たのしみワンダフル」を例にあげると次のとおりとなります。

30歳男性が年18万円(月1.5万円)の保険料を30年間支払う個人年金保険に加入すると、65歳から57.41万円の年金を毎年受け取るといった仕組みとなります。

個人年金保険を検討するにあたっての注意事項

①個人年金保険は、単なる積立商品のため、他の投資商品と比較が必要
②税額控除を利用した表面上の利率に騙されないこと

①個人年金保険は、単なる積立商品のため、他の投資商品と比較が必要

個人年金保険は単なる積立貯蓄型の商品のため、他の投資商品と単純比較が可能となりますので、本ブログで度々紹介している全世界株式インデックスファンドと比較をさせていただきます。

ここでも返戻率の高いスミセイの個人年金保険「たのしみワンダフル」を例にあげさせていただきます。

スミセイの個人年金保険「たのしみワンダフル」

・保険に30歳男性が加入し、年18万円(月1.5万円)の保険料を30年間支払う
・60歳から65歳まで、保険料の支払は発生しないが、保険会社で据え置かれる
・65歳から10年間年金として、57.41万円年金を受け取る
・払込保険料総額:540万円、年金受取総額574.1万円
返戻率106.3%

全世界株式インデックスファンドの場合

・利率4%の前提(30年以上の運用であれば十分可能な数字)
・30歳から60歳まで年18万円(月1.5万円)の定額積立を30年間行う
 18万円 × 56.085(年利4%で積み立て時の係数) = 約1,009万円
  ※年金集荷係数を利用
・60歳から65歳まで5年間積み立てを停止して、利率4%で据え置く
 1,009万円 × 1.04の5乗 = 約1,227万円
・65歳から10年間一定金額切り崩していく
 1,525万円 × 0.123(年利4%で運用しながら10年間で切り崩す場合の係数) = 約151万円
  ※資本回収係数を利用
・積立原資総額:540万円、受取総額1510万円(約151万円を10年間受け取るので)
返戻率279.6%

全世界株式インデックスファンドの場合の計算が複雑になってしまいましたが、ここで認識していただきたいのは、『全世界株式インデックスファンドで運用した場合、個人年金保険より高い大幅に大きなリターンを受けられる』ということです。

②税額控除を利用した表面上の利率に騙されないこと

年18万円(月1.5万円)の個人年金保険に加入した場合、年間約1万円税金が軽減されます。
※軽減額は年収に応じて異なります(1万円軽減されるのは年収700-1000万程度の場合)

年間18万円積み立てることで、1万円のリターンを得ていると考えられるため、1年目の利率は5.5%となります。

全世界株式インデックスファンドの利率を仮に4%とした場合、5.5%は優秀な利率となりますので、税額控除も考慮すると個人年金保険の利率が優れているような論法があります。

しかしながらこれは、完全な誤りです。

30歳で保険に加入して60歳まで年18万円の保険料を支払った場合、30年間で約30万円のリターン(税金の軽減)となるので、利率は0.39%となります。

そもそも、老後の資金を用意する場合においては、idecoを利用することでより多くの税額控除を受けることができるので、税額控除をしたいのであれば個人年金保険よりもidecoを検討するべきです。

まとめ

個人年金保険は単なる積立商品となりますが、税額控除の効果等を含めても、投資商品として優れた商品とは言えません。

全世界株式インデックスファンドなどの適切な投資商品と比較すると、将来のリターンで大幅に劣る結果となります。

数ある生命保険商品の中でもトップクラスで不要な、ダメ保険となっています。

個人年金保険の加入を検討されている方、すでに介護保険に加入されている方が一度立ち止まって別の方法を検討されるきっかけに本記事がなると幸いです。

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