保険によりリスクに備えつつ、将来の資産形成をすることができます
このような勧誘を受けて、生命保険に加入されている方は多いのではないでしょうか?
確かに保険で資産を形成することはできるのですが、保険での資産形成は非常に効率が悪く、他の選択肢を知っていれば、資産形成の選択肢として生命保険をする方はまずいないはずです。
この記事では、生命保険が資産形成の手段として不適切であることを具体例を交えて分かりやすく解説することで、「生命保険で資産形成をされている方」「今後検討されている方」が、生命保険を利用するよりも効率的な資産運用の方法を理解し、より賢く資産形成するができるようになります。
貯蓄性のある生命保険商品の元金に対する増加率
まず初めに、生命保険商品の中で、「将来の資産形成に繋がる」という営業トークで販売されることのある、貯蓄性のある生命保険商品と、それらの元金(支払った保険料)に対して、どの程度お金が戻ってくるかという観点で各商品を見てみましょう。
生命保険の保険料は生命保険料控除の仕組みにより、納める税金
を減らすことができますので、その点もリターンとして計算します。
正しく説明するには複雑な計算が必要になりますが、ざっくりと
年間1万円税金を減らせるという計算でいきます。
養老保険って保険以外なら支払ったお金より
増えてるからお得なんだね。
いいえ、全くお得じゃありません。
18-35年という期間を掛けて資産形成する場合、
最も増加率の大きい110%でも、はっきり言って
低すぎます。
次の章以降、詳しく説明させていただきます。
生命保険に代わる投資対象の商品
投資商品は世の中に無数の種類がありますが、生命保険で用意している資産は、一般的に以下の特徴のある資産になります。
・老後の資金や学費など、失ってはいけないお金
・長期間の投資となる
これらの特徴を踏まえ、長期投資を前提とした場合にどのような社会情勢になっても堅実に資産形成可能な投資対象を2つ選ばせていただきました。
生命保険との比較するとどの程度の差があるのか
さきほど例を出した生命保険の中で、最も増加率の高く増加率110%だった年金保険で比較を行います。
一定の利回りで特定の期間積み立てる場合は、『年金集荷係数』という係数を使用することで簡単に算出可能ですので利用していきます。
以下のサイトで毎年積立額・年利率・積立年数を入力することで簡単に求められます。
まずは全世界株式インデックスファンドから計算してみます。年利率は最も保守的に4%で計算します。
続いて先進国債券インデックスファンドを計算してみます。年利率は最も保守的に2%で計算します。
これらの数字は保守的に見積もっていますので、実際にはこれより高い増加率を得られる可能性は十分にあります。
いかがでしょうか生命保険での資産形成が効率が悪いというのはこれらの理由となります。
生命保険と比べるとお金がより多く貯まるんだね。
でもその分、お金が減っちゃう可能性もあるんでしょ?
株式や債券における想定のパフォーマンスは投資期間
を長く確保する程、想定に収まる可能性が高まります。
35年という投資期間を確保するのであれば、想定通り
の結果を得られる可能性は十分に高くなります。
そうなんだ、じゃあ安心だね。
株式と債券はどっちを買えば良いの?
いろいろと考え方がありますが、一例として確保できる
投資期間で選ぶ方法があります。
目安として、投資期間15年未満であれば債券、15年以上
であれば株式を選ぶのが良いと思います。
まとめ
生命保険での資産形成は35年という長期間にわたる投資にも関わらず、増加率約110%と、非常に低いパフォーマンスとなります。
35年間という投資期間を前提にする場合、非常に安全性の高い投資対象は多くあります。
その中でも最も安全性の高い、先進国国債インデックスファンドに投資したとしても増加率約142%となり、生命保険より大幅に高いパフォーマンスを出すことが可能です。
ただし、35年間もの投資期間を確保できるのであれば、よりパフォーマンスの高い全世界株式インデックスファンドに投資しても十分に安全な投資が可能となりますので、その場合は全世界株式インデックスファンドを選択して、増加率約210%という高いパフォーマンスを目指していただく方が効率的に資産形成が可能となります。
資産形成に生命保険を利用することを検討されている方、すでに生命保険で資産形成中の方が一度立ち止まって別の投資方法も検討されるきっかけに本記事がなると幸いです。
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