保険での資産形成は損?保険より効果的な資産形成方法について解説

投資
ユッケ
ユッケ

保険によりリスクに備えつつ、将来の資産形成をすることができます

このような勧誘を受けて、生命保険に加入されている方は多いのではないでしょうか?

確かに保険で資産を形成することはできるのですが、保険での資産形成は非常に効率が悪く、他の選択肢を知っていれば、資産形成の選択肢として生命保険をする方はまずいないはずです。

この記事では、生命保険が資産形成の手段として不適切であることを具体例を交えて分かりやすく解説することで、「生命保険で資産形成をされている方」「今後検討されている方」が、生命保険を利用するよりも効率的な資産運用の方法を理解し、より賢く資産形成するができるようになります。

貯蓄性のある生命保険商品の元金に対する増加率

まず初めに、生命保険商品の中で、「将来の資産形成に繋がる」という営業トークで販売されることのある、貯蓄性のある生命保険商品と、それらの元金(支払った保険料)に対して、どの程度お金が戻ってくるかという観点で各商品を見てみましょう。

ソナム
ソナム

生命保険の保険料は生命保険料控除の仕組みにより、納める税金

を減らすことができますので、その点もリターンとして計算します。

正しく説明するには複雑な計算が必要になりますが、ざっくりと

年間1万円税金を減らせるという計算でいきます。

終身保険の場合

30歳で1000万円の終身保険(60歳で保険料払込完了タイプ)に加入。
60歳まで毎月2.5万円を支払うと、払込保険料総額は900万円。
仮に65歳で解約すると、解約返戻金は約940万円。
保険料控除は約30万円のため、リターンは約970万円。
元金に対する増加率は約108%となる。

養老保険の場合

30歳で1000万円の養老保険(65歳満期)に加入。
65歳まで毎月2.66万円を支払うと、払込保険料総額は1,117万円。
満期保険金は1000万円。
保険料控除は約35万円のため、リターンは約1035万円。
元金に対する増加率は約93%となる。
※日本生命の養老保険の保険料例より

学資保険の場合

親が30歳、子供が0歳、300万円の学資保険(子供17歳払込完了、子供17歳満期)に加入。
子供が17歳まで毎月1.43万円を支払うと、払込保険料総額は約292万円となる。
満期保険金は300万円。
保険料控除は約17万円のため、リターンは約317万円。
元金に対する増加率は約108%となる。

年金保険の場合

30歳で663万円の個人年金保険(65歳払込完了)に加入。
65歳まで毎月1.5万円を支払うと、払込保険料総額は630万円。
年金受給額は663万円。
保険料控除は約35万円のため、リターンは約698万円。
元金に対する増加率は約110%となる。

ナムル
ナムル

養老保険って保険以外なら支払ったお金より
増えてるからお得なんだね。

ソナム
ソナム

いいえ、全くお得じゃありません。

18-35年という期間を掛けて資産形成する場合、
最も増加率の大きい110%でも、はっきり言って

低すぎます。

次の章以降、詳しく説明させていただきます。

生命保険に代わる投資対象の商品

投資商品は世の中に無数の種類がありますが、生命保険で用意している資産は、一般的に以下の特徴のある資産になります。

特徴

・老後の資金や学費など、失ってはいけないお金
・長期間の投資となる

これらの特徴を踏まえ、長期投資を前提とした場合にどのような社会情勢になっても堅実に資産形成可能な投資対象を2つ選ばせていただきました。

全世界株式インデックスファンド

■商品概要
 S&P500や日経225など、各国の経済指数と同じ値動きをする商品
■特徴
 不況時には資産価値が下落することがありますが、長期的には右肩上がりとなる。
 そのため、S&P500においては1950-2013年のどの期間をとっても投資期間を15年以上確保した場合は、全てプラスになるというデータ(*)があります。
(*)著書:ウォール街のランダム・ウォーカー
■パフォーマンス
 年率平均利回りは4〜6%程度

先進国債券インデックスファンド

■商品概要
 日本以外の先進国の国債に広く分散投資する商品(半分程度は米国国債)
■特徴
 不況時でも国が財政破綻することは少ないため、不況時でも資産価値の下落が限定的となるため、株式インデックスファンドより値動きが少ない。
■パフォーマンス
 年率平均利回りは2〜3%程度

生命保険との比較するとどの程度の差があるのか

さきほど例を出した生命保険の中で、最も増加率の高く増加率110%だった年金保険で比較を行います。

一定の利回りで特定の期間積み立てる場合は、『年金集荷係数』という係数を使用することで簡単に算出可能ですので利用していきます。
以下のサイトで毎年積立額・年利率・積立年数を入力することで簡単に求められます。

まずは全世界株式インデックスファンドから計算してみます。年利率は最も保守的に4%で計算します。

全世界株式インデックスファンド

毎年積立額を18万円(1.5万円×12か月)、年利率4%、積立年数35年で設定し計算すると、約1,325万円となります。
元金630万円に対する増加率は約210%となります。

続いて先進国債券インデックスファンドを計算してみます。年利率は最も保守的に2%で計算します。

先進国債券インデックスファンド

毎年積立額を18万円(1.5万円×12か月)、年利率2%、積立年数35年で設定し計算すると、約900万円となります。
元金630万円に対する増加率は約142%となります。

これらの数字は保守的に見積もっていますので、実際にはこれより高い増加率を得られる可能性は十分にあります。
いかがでしょうか生命保険での資産形成が効率が悪いというのはこれらの理由となります。

ナムル
ナムル

生命保険と比べるとお金がより多く貯まるんだね。

でもその分、お金が減っちゃう可能性もあるんでしょ?

ソナム
ソナム

株式や債券における想定のパフォーマンスは投資期間

を長く確保する程、想定に収まる可能性が高まります。

35年という投資期間を確保するのであれば、想定通り

の結果を得られる可能性は十分に高くなります。

ナムル
ナムル

そうなんだ、じゃあ安心だね。

株式と債券はどっちを買えば良いの?

ソナム
ソナム

いろいろと考え方がありますが、一例として確保できる

投資期間で選ぶ方法があります。

目安として、投資期間15年未満であれば債券、15年以上

であれば株式を選ぶのが良いと思います。

まとめ

生命保険での資産形成は35年という長期間にわたる投資にも関わらず、増加率約110%と、非常に低いパフォーマンスとなります。

35年間という投資期間を前提にする場合、非常に安全性の高い投資対象は多くあります。
その中でも最も安全性の高い、先進国国債インデックスファンドに投資したとしても増加率約142%となり、生命保険より大幅に高いパフォーマンスを出すことが可能です。

ただし、35年間もの投資期間を確保できるのであれば、よりパフォーマンスの高い全世界株式インデックスファンドに投資しても十分に安全な投資が可能となりますので、その場合は全世界株式インデックスファンドを選択して、増加率約210%という高いパフォーマンスを目指していただく方が効率的に資産形成が可能となります。

資産形成に生命保険を利用することを検討されている方、すでに生命保険で資産形成中の方が一度立ち止まって別の投資方法も検討されるきっかけに本記事がなると幸いです。

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